2023年9月28日
横井 佐織 博士
北海道大学大学院 薬学研究院 助教
メダカのmating game
〜メスに受け入れてもらうために〜
多くの動物において配偶相手をめぐる競争が生じており、行動や形態進化の原動力と考えられている。演者が実験に用いているメダカ(Oryzias latipes)はオスは1日に7-8回放精できるのに対し、メスは1日に1度しか放卵できない。そのためか、オスは選り好みなくメスに求愛をする一方で、メスは気に入った相手としか配偶行動を示さない。では、メスはどのような基準で配偶相手を選ぶのか?どうやらそばにいてくれた、見知ったオスが気に入るようだ。しかも相手の顔を認識しているらしい。それに対し、オスはどのような戦略をとるのか?オス、オス、メスの3者関係にしたら何が起きるのか?本講演ではそういった行動学的な話から、分子遺伝学的手法を用いて、その分子メカニズムに迫った研究について紹介したい。
参考文献
- Yokoi S. et al., Sexually dimorphic role of oxytocin in medaka mate choice. PNAS 117(9) 4802-4808 (2020)
- Yokoi S. et al., An essential role of the arginine vasotocin system in mate-guarding behaviors in triadic relationships of medaka fish (Oryzias latipes). PLoS genetics 11(2) e1005009 (2015)
- Yokoi S. et al., Mate-guarding behavior enhances male reproductive success via familiarization with mating partners in medaka fish. Frontiers in zoology 13 21-21 (2016)
コメントをお書きください