2022年2月25日
宇野 裕美 博士
北海道大学地球環境科学研究院 日本学術振興会特別研究員 CPD
川の本来の姿:森川海をつなぎダイナミックに変化する川とそこに生きる物たち
大自然の本来の川。それは雨や雪解けによる増水で流量変化を繰り返し、それに伴って氾濫原に水が幅広く流れたり氾濫収束に伴って狭まったりとダイナミックな環境の変化を繰り返す場。多くの生物はそんなダイナミックな自然環境に適応して生きてきた。
また、川は森の中を流れて海に流れ下る、ある種生態系のハザマにある場。水生昆虫や両生類など様々な生物が川と森の間を往来し、回遊魚や甲殻類など様々な生物が海と川の間を往来する。川はそんな生き物たちのダイナミックな大移動がみられる場でもある。
私はこれまで自然の中でも特にダイナミックなこんな川の姿に魅了され、そのダイナミズムがはぐくむ生態系の成り立ちを解き明かしたいという思いで研究を進めてきた。今回のセミナーでは、これまで私が行ってきた様々な研究を俯瞰しつつ、特に河川の氾濫と収束にともなう河川環境の変化とそういった環境をどのように生物が利用して生態系が成り立っているのかといったトピックに焦点を当ててお話ししたい。
参考文献
H. Uno et al. (2021) Spatially variable hydrological and biological processes shape diverse post-flood aquatic communities. Freshwater Biology.
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宇野智昭 (水曜日, 30 3月 2022 13:48)
日本の河川のあるべき姿に興味を持っています。
よろしくお願いします。