2021年12月10日
松橋 彩衣子 博士
農研機構
耕地雑草から見るヒトと植物の真剣な攻防戦
「雑草」それはわたしたちにとって最も身近な野外生物のひとつであることは間違いない。身近であるがゆえに、彼らは意図的・非意図的な人為的影響を激しく受けるが、負けることなくしたたかに生存している。特に農耕地における雑草は、人間による厳しい管理条件を強いられるが、負けるどころか、時に人の生活を脅かすほどの猛威をふるう。ヒトと雑草の、絶対に負けられない戦いがそこにはある。
本講演の前半では、そんな攻防戦の過程で生じる様々な進化イベント―環境適応、除草剤抵抗性獲得、新規移入など―について事例を交えながら紹介する。後半では、基礎研究と応用研究を繋ぐフレームワークとして総合的雑草管理(IWM;Integrated Weed Management)について、演者の研究例と共に紹介していく。
師走の金曜のアフターファイブに、雑草の生き様と研究可能性について、ゆるりと思いを馳せて頂けると幸いである。
参考文献
Matsuhashi S., Asai M., Fukawasa K. (2021) Estimations and projections of Avena fatua dynamics under multiple management scenarios in crop fields using simplified longitudinal monitoring. PLoS ONE 16(1): e0245217
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伴邦教 (木曜日, 13 1月 2022 21:44)
よろしくお願いいたします。