第37回 4月25日木 15時〜

都市生態系で起きる進化。私たちは何を解明するべきか?

深野祐也 博士(千葉大学大学院 園芸学研究科 准教授)

要旨

都市生態系は人間が作り出した非常に変わったハビタットです。都市生態系には、アスファルト・コンクリートなど不透水地表面が優占する、夜間の光や騒音が生じる、外来種の割合が増える、生息地が断片化するなど、共通の生態学的な変化があります。都市生態系で起きる進化を解明することで、急激な環境変化に対する生物の進化的応答の知見を得ることができます。都市生態系は地球上の様々な地点に出現しているので、地球規模の進化の自然実験としても捉えることができるかもしれません。本セミナーでは、私たちが解明してきた都市で起きている植物進化の事例をいくつか紹介します。それらの結果から、進化理論への貢献を考えてみたいです。さらに重要なのは、都市生態系は人間が作り出し、人間社会の営みの根幹にある、ということです。都市生態系で起きる進化は、私たち自身の営みに影響するのかしないのか、どうやって何を解明したらいいのか、その辺りを皆さんと議論できればうれしいです。

参考文献

 

*質疑含めて90分〜120 分程度を予定していますが、終了時間は目安です。

*参加申込は前日 12:00まで受け付けています。

*Zoomを用います。事前にアプリをご用意ください。

*ページ内の日時はすべて日本時間です。 

 

 


小進化と大進化の架け橋「漏斗モデル」の提案

登録期限:4月30日

第36回詳細


第38回 5月17日金 15時〜

昆虫社会の分業システムと密接に関係する共生細菌

下地博之 博士(琉球大学農学部 准教授)

要旨

細菌との共生関係は自然界で普遍的な現象である。アリは真社会性昆虫と呼ばれ、個体間の分業体制を基盤として多様な社会を形成して様々な環境に適応している。このような個体間分業に加えて、多種との共生関係は社会を維持する上で重要である。本発表では、演者らが研究を進めているアリの一種であるトゲオオハリアリとその腸内共生細菌の関係について、特に、伝播様式と生物学的機能が個体間の分業システムとどのように関係するのかに焦点を当てて議論する。

参考文献


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